/日本人ならば誰もが知る富士山。例えば地元の懐かしく思える原風景の山以外では、やはり心の中にある山のひとつだと思います。
富士山もしばしば「 登る山じゃなく見る山。 」と表現される事があります。
山は標高だけじゃない、山のもつシルエットの美しさも本来の魅力ではないでしょうか。
でも、個人的には登るのも魅力的に思える山のひとつです。
山頂へはいくつも登山ルートがありますが、そのなかでも御殿場ルートが山の大きさを感じられる場所としては一番好きです。
【富士山・御殿場ルート】
日程/日帰り
行程/御殿場口新五合目→七合目付近ビバーク仮眠→砂走館→御殿場口頂上→剣ヶ峰→御殿場口ピストン
/登山口に到着。
頭上は雲が広がっていたけど、歩き始めの時は何とか持ちそうで大丈夫そう。
山に入るときは経験上けっこう天候にはやられてきたので、夕立など心配だったけども、今回一緒に来たTemzinデザイナーが晴れ男なので、今日の天候はそちらへ転んでくれた。
ここまでは下界から一気に高度を上げたので、運動前の腹ごしらえをかね、高山病予防に登山口のベンチで休憩して過ごす。
富士の山頂が見える。いつ来ても、改めてその大きさを感じさせる姿。
雄大な景色。
海外の登山客も。
まだそこまでは寒くないので、長袖のアンダーシャツで調度よかった。
歩き始めの前は少し肌寒い具合のほうが、かえって歩いてからは快適な事が多い。
御殿場登山道は富士の頂を見ながら進んでいける視界が広がったコース。
すぐに大石茶屋。 この先かなりの距離で小屋がない。(途中は廃業小屋が多いです。)
御殿場登山道は他のコースと比較すると営業小屋が極端に少ない。
登る時間も長いのであまり初心者だけのグループは見かけない。
足元にはかなり火山灰が積もっている。クッションを通り越して足が埋まる感覚に近い。
これだと登山スパッツがないと一気に砂が靴に入ってきて不快になる。
今回持ってきておらず後悔。
山体が大きいので近くにあると錯覚しそうだけど、実際にはまだ遠くにある山頂。
この日は星が綺麗で素晴らしかった。
行動中はウインドヤッケとフリースのレイヤリングで体温調節しながら登ってゆく。
停滞時間(ご飯などの大休止。)では、それでも寒いのでダウンジャケットを着用。
/六合目あたりで腹が減ったので夕食を摂る。
富士登山は夜間の時間帯を歩くのと、標高も高いため、夏でもかなり冷え込む。
歩かずに立ち止まると温度差をより一層そう感じる。
写真の小屋は日の出館だったはず。
営業している山小屋さんでも御殿場ルートでは夜間はひっそりと静か。
なんとなく二人とも体温が上がらないので、途中に温かい飲み物を飲んだり。
自分が飲んだのはホットミルク。
今回は天気もいいので放射冷却を身体に感じながら、体感温度はけっこう寒かった。
途中ご来光の時間を逆計算して、ツエルトに包まって仮眠をとった。
このコースはご来光を山頂でなくても見ることができるのが気に入っている。
あまり時間に制約されず動けるので、何となく性格的にも合っている気もしたり。
砂走館。
ここまで来るとかなり登ってきた感覚になる。
山頂までの最後の小屋でもある赤岩八合館の手前で御来光が見えてきた。
/初めての富士山もご来光が印象的だった。
やっぱり何度訪れても、山の上で味わえる美しさ。
雲海から現れる太陽の光と雲が交錯し次々と変化する、開放的でもあり色彩感の溢れた光景。
今回も素晴らしい瞬間に出会えた。
夜に冷えた身体を温めるには十分すぎるくらいで、心地よい感覚にさせてくれる。
そんな動物的な感覚は、街でいるよりも山にいると少し際立つと言うか、より強く感じさせてくれる。
赤岩八号館は素朴な雰囲気の小屋だった。
富士登山は各ルートからの最高点があり、そこまで登ればとりあえず終わった感じがする。
でも、本当は剣ヶ峰のピークが富士最高峰。
どうせなら足を延ばしてみたい。
剣ヶ峰までは火口のある山頂部を歩いて進む必要があるので、意外と天候が安定していないと断念する場合も多い。
富士山には過去2回登りに来てるけど、風もなく快晴の天気だったのは初めてだった。
実はようやく念願のお鉢巡りを歩けた。
各ルートのゴールには鳥居が建っている。
今回食べた行動食。
薩摩芋の甘納豆に醤油煎餅。クリフバーに干し梅と。
行動食には甘み・塩味・酸味を取り入れるように心がけている。
視界の先には旧富士測候所が見える剣ヶ峰のピーク。
なんか月面世界に来たかのような感覚。
富士山の火口はとてつもなく大きい。
お鉢巡りだけでも一周するにも1時間は必要。表現的にはある意味で日本で一番高いハイキングコースとも言えそう。
とうとう、富士登山3回目にして、念願の剣ヶ峰に登頂&お鉢巡りを行えた。
ここが日本で一番高いって場所だけでも嬉しいのに、快晴の天気のおかげで爽快で絶好の気分。
ささやかにビールで祝杯。
でも高地だけに普段よりも酔いが回る。山頂から見る景色が酒の友。
Temzinデザイナーのザックは、Six Moon DesignsのFeather Pack。
容量は25リットル程度の小型ザック。
ユニークな構造で最大40リットルまで容量調節が行えるのが特徴的。 見た目もスッキリ感があり格好いい。残念ながら今は廃盤モデル。
夏期限定の山頂郵便局もあり、実際にここから山の便りを送れる。
2時間ほどお鉢巡りなど山頂でのんびりと過ごした。
さっきまでの山頂での快晴が嘘のように、下山を開始しばらく後に雨が降ってくる。
砂走では某超有名トレイルランナーとすれ違う、桁違いのスピード感は凄かった。
何回登っても富士山は新鮮な気分にさせてくれる。
でも、近い将来化は全然わからないけど、残念ながら噴火する予測がされている。
本当なのか?
それはそれで凄く悲しい事実に思える。
自然現象なので防ぎようがないけど…絶対に美しい富士山は残ってほしいと改めて思った。
-OUT TRY SPACE-
“Mountain&Life.Rucksack factory”