2017/09/30

財布試作品

 試作段階の財布の完成品がほぼ出来上がりました。
開発当初の形から随分とデザインの変更を繰り返してきましたが、今回最終型が近づいてきました。

商品開発のきっかけは以下の通りです。
/山での移動中や小屋などで使用する場合において、なるべく弱点がなく、かつ使いやすいか。
/携行性を考え、コンパクト性は必要だけども、それにより財布自体が使いづらくならないようする。
/突発的な山の雨や、普段の生活で安心感を感じられる防水性。



山への移動アクセスで電車利用する場合に、Suicaなどの電子カードがメインになりましたが、田舎に行けば意外と自動改札がなかったりします。そんな時にはまだまだ現金の出番です。
また、登山口までのバス料金の支払いや、山小屋での買い物なども、頻繁に現金を取り出す機会が増えます。

また、ハイキング中に稜線を歩いていると突然の雨で荷物が濡れてしまいます。
そういった場面では、大切な貴重品はなるべく濡らしたくありませんし、心配が増えると、歩く事に集中できません。
財布の役割としては貴重品入れとして大切になりますし、本体の重量もなるべく減らしたいと考えました。

そういった場面でも、収納力を犠牲にせず、必要な防水性を確保しつつ、本体のコンパクト性を両立したサイズ感を目指しました。

そんな事をイメージしながら、色々と試行錯誤してきました。
防水性もあり軽量素材でもあるX-Pacをメイン生地に採用しています。
お札や小銭も取り出しやすい形状など、スムーズに取り出せるように工夫しました。

詳細はまた後日…ブランドタグが完成した頃にでもUPする予定です。



#試作品
-OUT TRY SPACE-
“Mountain&Life.Rucksack factory”

2017/09/18

耐久性を考える


 試作品を製作しているうちに、色々と試している生地の話です。
これの考えがちょっとずつですが、当初のイメージから変化してきました。
生地を選ぶうちに、商品の土台・基礎になる大切なものなので、やはりどうしても慎重になってきます。

耐久性
その生地の持つ風合い・雰囲気
実際に作りあがった商品のデザイン

今回は耐久性の面から書きます。。。


2017/09/10

ショルダーバッグ改良

 以前にUPしたショルダーバッグ。
販売にむけ、今回は最終段階に近づいてきた改良バージョンのご紹介です。




2017/09/07

広がり

 たまに古い雑誌を何気なく見返すことがしばしば。
部屋の掃除をしてると、よくそうなるんですが、そうなると掃除が一向に進まず…
結果、読書の時間と変化してゆきます。

何気に直したい癖です。
集中力がないだけでしょうか?

数年前のPOPEYE。
「 The Complete Walker`14 」
特集が組まれています。 

コリン・フレッチャー氏の著書が元ネタ。日本では芦沢一洋氏が和訳して遊歩大全として広まりました。


山歩きを初めて15年ほど経ちました。始めた頃は若い方たちは全然少なかった気がします。
同年代の友達も「趣味は山登り。」は結局出会いませんでした。
しかし今ではガラッと雰囲気も変わり、数年前には山ガールという言葉まで誕生し、今では定着している?ような気はしてます(あまり断定するのが好きではありません。)。


性格的に何か始めるときは形から入るタイプなのです。
自分は富士登山がきっかけで山歩きを始めた訳ですが、今では大量の山道具が部屋の大部分を占めるようになりました。
正直、収納場所がもう少し欲しくなっています。

仕事以外に趣味などを始めた場合、必ずしも先輩的な人が現れるわけではないので。
自分の場合では形から入ると興味が湧いてきて、色々調べものをする訳ですが…
例えばこういった雑誌なんかがきっかけで、ハイキングなどの自然へ興味を持ってくれる人たちがもっと増えていけば嬉しいかぎりです。


例を挙げてみます。
山と渓谷の雑誌アンケートだったと記憶しているのですが、お隣の韓国では全人口に対して5割近い割合の方が、半年以内に山歩き(程度は様々だと思いますが。)を楽しんでいるようです。
日本では一年以内に3割ほどの割合が、同様のアンケート結果だったみたいです。
感覚的には山歩きを楽しまれる方の年齢層が幅広く変化したのですが、まだまだ広がりは少ないと思いました。

もっともっと日本にハイキングカルチャーが根付き、広がってくれる事を願っています。
山をもっと身近な存在として感じてもらえれば嬉しいです。
OUT TRY SPACEとしても、カルチャーを発信できる側へ回れるように頑張らないといけませんね。


#日常
-OUT TRY SPACE-
“Mountain&Life.Rucksack factory”

2017/08/30

印付け



チャコ。

ペンではなくオーソドックスな物を使ってます。
コーティングされた生地なんかにすごく便利です。

始めた頃はボールペンで線引きできていたので十分間に合うもんだと思ってました。
でも、中には生地に書き込めないものも出てきました。
やっぱりチャコは役に立つと再認識。

けっこうボロボロと割れやすいので注意しつつ…



#日常
-OUT TRY SPACE-
“Mountain&Life.Rucksack factory”




2017/08/26

富士山の記憶

 8月に富士山へ登った山の記憶です。



/日本人ならば誰もが知る富士山。例えば地元の懐かしく思える原風景の山以外では、やはり心の中にある山のひとつだと思います。

富士山もしばしば「 登る山じゃなく見る山。 」と表現される事があります。
山は標高だけじゃない、山のもつシルエットの美しさも本来の魅力ではないでしょうか。
でも、個人的には登るのも魅力的に思える山のひとつです。

山頂へはいくつも登山ルートがありますが、そのなかでも御殿場ルートが山の大きさを感じられる場所としては一番好きです。


【富士山・御殿場ルート】
日程/日帰り
行程/御殿場口新五合目七合目付近ビバーク仮眠砂走館御殿場口頂上剣ヶ峰御殿場口ピストン



/登山口に到着。 
頭上は雲が広がっていたけど、歩き始めの時は何とか持ちそうで大丈夫そう。
山に入るときは経験上けっこう天候にはやられてきたので、夕立など心配だったけども、今回一緒に来たTemzinデザイナーが晴れ男なので、今日の天候はそちらへ転んでくれた。

ここまでは下界から一気に高度を上げたので、運動前の腹ごしらえをかね、高山病予防に登山口のベンチで休憩して過ごす。

富士の山頂が見える。いつ来ても、改めてその大きさを感じさせる姿。
雄大な景色。 

海外の登山客も。

鳥居をくぐっていよいよ登山スタート。時間は18:00頃だった。

まだそこまでは寒くないので、長袖のアンダーシャツで調度よかった。
歩き始めの前は少し肌寒い具合のほうが、かえって歩いてからは快適な事が多い。

御殿場登山道は富士の頂を見ながら進んでいける視界が広がったコース。

すぐに大石茶屋。 この先かなりの距離で小屋がない。(途中は廃業小屋が多いです。)

御殿場登山道は他のコースと比較すると営業小屋が極端に少ない。
登る時間も長いのであまり初心者だけのグループは見かけない。 

足元にはかなり火山灰が積もっている。クッションを通り越して足が埋まる感覚に近い。
これだと登山スパッツがないと一気に砂が靴に入ってきて不快になる。
今回持ってきておらず後悔。

山体が大きいので近くにあると錯覚しそうだけど、実際にはまだ遠くにある山頂。
この日は星が綺麗で素晴らしかった。


行動中はウインドヤッケとフリースのレイヤリングで体温調節しながら登ってゆく。
停滞時間(ご飯などの大休止。)では、それでも寒いのでダウンジャケットを着用。


/六合目あたりで腹が減ったので夕食を摂る。
富士登山は夜間の時間帯を歩くのと、標高も高いため、夏でもかなり冷え込む。
歩かずに立ち止まると温度差をより一層そう感じる。
メジャーな吉田ルートだと人も多く夜間でも渋滞になるので、こうして腰を据えてご飯を取ることが無理だったりする。温かいメニューが冷えた身体にはありがたい。

写真の小屋は日の出館だったはず。
営業している山小屋さんでも御殿場ルートでは夜間はひっそりと静か。

なんとなく二人とも体温が上がらないので、途中に温かい飲み物を飲んだり。
自分が飲んだのはホットミルク。
今回は天気もいいので放射冷却を身体に感じながら、体感温度はけっこう寒かった。

途中ご来光の時間を逆計算して、ツエルトに包まって仮眠をとった。 
このコースはご来光を山頂でなくても見ることができるのが気に入っている。 
あまり時間に制約されず動けるので、何となく性格的にも合っている気もしたり。

砂走館。
ここまで来るとかなり登ってきた感覚になる。


山頂までの最後の小屋でもある赤岩八合館の手前で御来光が見えてきた。


/初めての富士山もご来光が印象的だった。
やっぱり何度訪れても、山の上で味わえる美しさ。
雲海から現れる太陽の光と雲が交錯し次々と変化する、開放的でもあり色彩感の溢れた光景。
今回も素晴らしい瞬間に出会えた。

太陽の力はすごい。
夜に冷えた身体を温めるには十分すぎるくらいで、心地よい感覚にさせてくれる。
そんな動物的な感覚は、街でいるよりも山にいると少し際立つと言うか、より強く感じさせてくれる。



赤岩八号館は素朴な雰囲気の小屋だった。

富士登山は各ルートからの最高点があり、そこまで登ればとりあえず終わった感じがする。
でも、本当は剣ヶ峰のピークが富士最高峰。
どうせなら足を延ばしてみたい。
剣ヶ峰までは火口のある山頂部を歩いて進む必要があるので、意外と天候が安定していないと断念する場合も多い。

富士山には過去2回登りに来てるけど、風もなく快晴の天気だったのは初めてだった。
実はようやく念願のお鉢巡りを歩けた。

各ルートのゴールには鳥居が建っている。

今回食べた行動食。
薩摩芋の甘納豆に醤油煎餅。クリフバーに干し梅と。
行動食には甘み・塩味・酸味を取り入れるように心がけている。

視界の先には旧富士測候所が見える剣ヶ峰のピーク。
なんか月面世界に来たかのような感覚。

富士山の火口はとてつもなく大きい。
お鉢巡りだけでも一周するにも1時間は必要。表現的にはある意味で日本で一番高いハイキングコースとも言えそう。

とうとう、富士登山3回目にして、念願の剣ヶ峰に登頂&お鉢巡りを行えた。
ここが日本で一番高いって場所だけでも嬉しいのに、快晴の天気のおかげで爽快で絶好の気分。

ささやかにビールで祝杯。
でも高地だけに普段よりも酔いが回る。山頂から見る景色が酒の友。

Temzinデザイナーのザックは、Six Moon DesignsのFeather Pack。
容量は25リットル程度の小型ザック。
ユニークな構造で最大40リットルまで容量調節が行えるのが特徴的。 見た目もスッキリ感があり格好いい。残念ながら今は廃盤モデル。

夏期限定の山頂郵便局もあり、実際にここから山の便りを送れる。


2時間ほどお鉢巡りなど山頂でのんびりと過ごした。

さっきまでの山頂での快晴が嘘のように、下山を開始しばらく後に雨が降ってくる。

大砂走では雨を含んだ火山灰や砂利が入ってきて痛かった。さすがにスパッツは必要。

砂走では某超有名トレイルランナーとすれ違う、桁違いのスピード感は凄かった。


何回登っても富士山は新鮮な気分にさせてくれる。
でも、近い将来化は全然わからないけど、残念ながら噴火する予測がされている。
本当なのか?

それはそれで凄く悲しい事実に思える。
自然現象なので防ぎようがないけど…絶対に美しい富士山は残ってほしいと改めて思った。



-OUT TRY SPACE-
“Mountain&Life.Rucksack factory”